「できる」と「できない」が間違って伝わる? can と can’t をの違い
「家まで車で送ってくれない?」と頼まれて、予定的に厳しかったので「I can't do it.(できないよ)」と断ったはずなのに、相手から返ってきたのは満面の笑みでの「Oh really? Thanks so much!(本当?ありがとう!)」。
「えっ、できないって言ったのに、なんで伝わってないの……?」
そんな気まずい思いをした経験はありませんか?
日本人学習者が最もつまずきやすいポイントのひとつが、この can と can’t の聞き分け・使い分けです。語尾の「t」をしっかり発音したつもりなのに肯定に聞こえてしまったり、相手の英語を聞くときも「t」が聞こえなくて混乱してしまったりすることは珍しくありません。
ですが、実はネイティブスピーカー自身、語尾の「t」を毎回ハッキリ発音しているわけではありません。文脈の中で「t」はほとんど飲み込まれ、消えてしまう(脱落する)ことがほとんどです。
では、彼らは一体どこで「できる」と「できない」を瞬時に判断しているのでしょうか?
その決定的な手がかりが、英語特有の「音の強弱」と「リズムの山」です。
1. can(肯定):主役は「次の動詞」
「〜できる」という肯定の文では、can はあくまで補助的な役割です。そのため、主語よりも弱く、短く、あいまいに発音されます(発音記号でいうと /kən/ や /kn/ に近い音になります)。
2. can't(否定):主役は「can't 自体」
一方、「〜できない」という否定文では、「できない」という事実そのものが一番重要な情報になります。相手に誤解させてはいけない大事なメッセージだからです。
そのため、can't は主語や後ろの動詞よりも強く、長く、ハッキリと発音されます(母音の口を大きく開けて「キャァン」と響かせるイメージです)。
見分ける・伝えるための決定打は「リズム」
I can DO it.(弱く短い can + 強く長い動詞)= できる
I CAN'T do it.(強く長い can't + 通常の動詞)= できない
「語尾の t を聞き取ろう/発音しよう」と耳や口先に集中するのをやめて、「音の山がどこにあるか」に意識を向けてみてください。




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